激戦の地硫黄島で生き残った方が実際見た正夢
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大熱でうなされながら眠った。
不思議な夢を見た。妻が髪振り乱して上半身裸で濁流の中に立っている。
左足がちんばになっている。100メートルも幅のある大河の真ん中に居る。私に来いと招く。
2年間忘れたことのない妻だが、濁流の中には行けぬ。それでも河にはいり歩いて近づく。
背があわん、深い、もう行けん、私は泳ぎが出来ん。引き返して陸に上った。目が覚めた。
夢だった。妻の身に異常があったのだ。私の戦死の報で再婚したのか或いは死んでいるのではないかと思う。
そこへ、産春兄から手紙来る。
思ったとおり妻は昭和20年6月14日、子供2人を近親者に頼み、 自分は夫のもとに行くと言って病死したと言う。
防空壕を掘る奉仕作業に出ていて左足に古釘を刺して傷を受けていたのが、 遂に破傷風となって、髪振り乱して手を突っ張ったり反り返って苦しがり死んだという。

(中略)

2年前善通寺の兵舎へ面会に来てくれた妻、 あれが永久の別れとなったのである。私も出発の時、妻とは別れになるような予感がしたが本当となった。

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参考文献『祖父の硫黄島戦闘体験記』